今度はドミニカが入港拒否。1,500人乗りのクルーズ船

今度はドミニカが乗客・乗員に発熱などの症状がでたクルーズ船の入港を2月27日、拒否しました。ドミニカ当局が船内に入って検疫。次の判断待ちの状態です。 続きを読む

ジャマイカ、ケイマン、MSC Meravigliaの寄港拒否。乗組員が発熱などの症状

米国マイアミからカリブ海クルーズに出た乗客・乗員計6,000人の大型クルーズ船が2月26日、ジャマイカ、ケイマン諸島当局から寄港を拒否されました。乗員に咳、熱などの症状が出たことで過剰反応されたようです。 続きを読む

★★海賊週報★★(2020・2・17~2・24)

【ハイジャック・拉致】=ギニア湾1件
【海賊の未遂、強盗・窃盗の既遂・未遂】=ギニア湾2件
【ソマリア海賊の未遂と疑わしい活動】=なし 続きを読む

「国際保健規則(2005)」と検疫法などからは日本が責任を持つのでは

政府はダイヤモンド・プリンセスの船籍が英国で、米国のクルーズ会社が運航していたことから、しきりに日本には責任がない(あるいは薄い)ということをアピールしたいように見えます。専門家ではありませんので理解が不十分かもしれませんが、世界で感染症に立ち向かうためにWHOが策定した「国際保健規則(2005)」や検疫法、感染症予防法を読むとやはり日本に責任があるように思えます。さらにクルーズ船内の権限にグレーな部分があったとしてもそれはWHOを経由したり、あるいは直接船旗国(今回は英国)などと外交交渉が可能だったはずです。そこで日本が検疫を行うことに障害が出たのなら具体的に説明し、障害除去のために誰に対してどんな交渉を行い、どういう結論になったのかを示さなければ合理的な説明にはなりません。英国が船内の主権を主張したとは到底思えないのですが、もしあったのならばIMOやWHOなどに提起しなければなりません。3000人という巨大閉鎖空間での新型ウイルスとの戦いは初めてではなかったかと思います。拡散の恐れが容易に想像できる環境下でどう対処するのがいいのかは人類の経験値として貴重です。

未知のウイルスとの戦いの局面で、すべての条件がクリアになっていることの方が希でしょう。しかも今回のウイルスがそうだというものでは全くありませんが、現代の安全保障の対象は生物化学兵器やサイバー攻撃が中心になっています。軍隊が領土に侵入するといった攻撃形態は、経済的も割に合いませんし、国際社会の中で国が存在する以上、非難だけしか得られない軍事力行使は得策ではありません。もちろんハード面の軍事力の脅威がゼロだというつもりではありませんが、万一、生物化学兵器で攻撃された場合、どう対処するかは国家の安全保障のテーマではないかと思います。クルーズ船には外国人も乗船しますから、対応の是非は国際評価に直結しますが、それ以上に日本の安全保障として未知のウイルスをどう封じ込めるかという命題があったはずです。

今回の新型コロナウイルス(COVID-19)に絡んだクルーズ船は、ダイヤモンド・プリンセス(船籍:英国、運用:米国)=検疫:日本(概要は公知なので略)以外にも4隻ありました。しかし、ダイヤモンド・プリンセスは日本語のスタッフを乗せて夏期に日本発着のクルーズをずっと行い、2019年からその期間を冬期にも拡大しています。単に寄港で日本に来たクルーズ船ではありません。確かに外国の運航クルーズ船ではありますが、日本にも軸足を置いたクルーズ船でした。

余談ですが、2002年に三菱重工長崎造船所で建造中に火災が起き、並行して建造していた姉妹船(サファイア・プリンセス)がダイヤモンド・プリンセスとして完成しました。2009年の新型インフルエンザの流行時には横浜港でなかったですが同じ日本で検疫を受けました。このときには感染者が出ませんでした。因縁めいたものも感じますが、日本にゆかりがあるクルーズ船だったことは間違いありません。

船籍が違う、運航社が違うというならば、日本の船の9割以上は便宜置籍船で日本船籍ではありませんし、運航も日本船社と関係あるにしても外国の法人が行っている場合があります。この事情は日本ほど極端ではないにしても各国とも同じです。それを責任回避の理由に挙げて、安全保障が担保されるのでしょうか。4人に1人が感染した結果は失敗というしかありません。

万一、生物化学兵器で船舶が攻撃された場合、どうするのでしょうか。巨額な戦闘機やミサイル防衛システム、軽空母をいくら揃えてみても安全保障が実現できるものでないと思います。危機管理条項を持っても適切な戦略を立て、結果に責任を持つヘッドコーターがなければ国は瓦解してしまうのではないでしょうか。まずは事故や災害時に派遣されるDMAT(災害派遣医療チーム)で未知の感染症の船内対応をする決定を誰が何時行ったかを知りたいところです。

国際保健規則(2005)kokusaihoken_honpen
検疫法
感染症予防法

ギニア湾で海賊攻撃、原油タンカーから10人拉致される

ギニア湾のベナン沖で2月20日、ナイジェリア・ラゴスに向かって航行中の原油タンカーが海賊攻撃を受け、乗組員10人が拉致されました。 続きを読む

「検疫前に船内で伝播」と国立感染症研究所。厚労副大臣は「私が知らない間にある医師が乗船したので退去させた」

岩田健太郎・神戸大学教授のクルーズ船での感染症対策告発動画を受けて、橋本岳・厚生労働副大臣が2月19日にツイートしました。「現場責任者の私が知らないところである医師が船内に入っていたので、丁寧に退去していただきました」とのことです。政治家として気に食わなかったことは分かりましたが、船内での封じ込めに失敗し、19日現在で600人を超える大量の感染者が出たことは事実です。責任者とは責任を取る人のこと。結果責任ですから「けじめ」の内容を見たいと思います。

19日に国立感染症研究所が初めてクルーズ船の感染症(19症例)についてまとめ(日・英)公表しました。それによると、「2月5日にクルーズ船で検疫が開始される前にCOVID-19の実質的な伝播が起こっていたことが分かる。確定患者数が減少傾向にあることは、検疫による介入が乗客間の伝播を減らすのに有効であったことを示唆している」と検疫以前に船内での伝播があったが検疫で押さえ込んだと分析しています。私は判断できませんが、「検疫は適切だったが、その前に感染が広がっていてどうしようもなかった」と主張するなら、国際的な場できちんと説明する必要があります。

感染症に立ち向かうのは世界中の医師らで、戦い方は世界中で共有されます。そのため評価も科学合理性を踏まえて相互に行われていると理解しています。しかし今回の日本の検疫対応の結果は失敗としか言えないものでした。あまりに大量の感染者が発生してしまったからです。

「船主と船籍が日本以外で、感染症が発生した場合の対応分担が確定しておらず難しい」などといった、よくある“失敗の責任回避”的な説明をされる方もおられました。しかしこの言い訳で納得してもらうためには、詳細にその難しい内容を明らかにし、その上で検疫を行った日本が限られた条件の中で全力を挙げて封じ込めに当たったことを詳細に説明しなければなりません。「適切に行った」というだけの説明は通用しません。詳細な事実の情報開示が絶対条件になります。こうした事態は今後も発生するかもしれず、貴重な先例。世界中が関心もって見ています。

感染症専門医の神戸大教授がダイヤモンド・プリンセスのあまりのずさん対応を「告発」

クルーズ船“ダイヤモンド・プリンセス”で新型コロナウィルス(COVID-19)の新規感染者が連日、数十人単位で発生しています。あまりの大量発生に驚きながらも船内では専門医が先進国として恥ずかしくない感染症対応は取っているものと信じていました。しかし2月18日、船内に入った感染症の専門医である岩田健太郎・神戸大学医学部教授が発信した「告発」動画を見て、その信頼は吹き飛びました。まずは見てください。

動画で明かされた船内の実態は、呆れ果てることのオンパレードでした。世界で標準化された感染症対応メソッドが取られていないばかりか、専門医主導での対応態勢になっていないというのです。投入された医療チームは寄せ集められたDMAT(災害派遣医療チーム)だといいます。そんなバカな、です。地震の後に現場に投入するならDMATはアリでしょうが、クルーズ船は未知のウイルスとの戦いの現場です。初手からあり得ない選択ではないでしょうか。

感染症専門医の協力が得られなかったのかもしれません。政府に協力する気が起きなかったのかもしれません。いつも通り政府は何も正確な情報開示はしませんから分かりませんが、一応先進国だというならばあり得ないのではないでしょうか。各国が自国民を移送するのは日本が信頼に足る対応を取っていないことが見えてきたためだったのではないかと思います。これは恥ずべき事態です。

政府、厚生労働省などの対応責任部署は、正確な情報開示をせずに詭弁を弄して乗り切れると考えているかもしれませんが、今回は少し違うかもしれません。それは岩田先生がアップしたYoutubeの動画の拡散状況です。深夜にもかかわらずみるみる増えていますし、英語でもアップされていますので、世界の感染症の専門家も知ることになります。大手メディアは取り上げないかもしれませんが、自らの感染リスクがある中で専門家として事実を明らかにしたこの「告発」動画の「ファクト」は強烈です。

★★海賊週報★★(2020・2・10~2・16)

【ハイジャック・拉致】=なし
【海賊の未遂、強盗・窃盗の既遂・未遂】=東南アジア3件
【ソマリア海賊の未遂と疑わしい活動】=なし 続きを読む

ギニア湾でマースクのコンテナ船に武装海賊乗船

ギニア湾を航行中のマースクラインのコンテナ船が2月14日08:12 UTC頃に武装海賊の攻撃を受け、乗り込まれたようです。付近の船舶が目撃しました。AISではコンテナ船はナイジェリア沖を漂流しているように見えます。 続きを読む

米艦船、アラビア海でイランからフーシ派への密輸武器を押収

米第5艦隊のミサイル巡洋艦USS ノルマンディー(USS Normandy=CG-60)は2月9日、アラビア海で無国籍のダウ船から地対空ミサイルや弾薬などを押収しました。武器はイラン製でイエメンのフーシ派向けとみられます。 続きを読む

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