【未確認情報】イスラム国、「シリアでヨルダンのスパイを拘束」とビデオ公表

「イスラム国」は1月31日、ネット上に「シリアのラッカ南東Deir ez-Zor州でヨルダン情報機関のスパイを拘束した」と称するビデオを公開しました。 続きを読む

米、イエメンの新政権ホーシ側と接触を模索。アルカイダグループはホーシ幹部を殺害

紅海、アデン湾に面したイエメンの混沌状態が続いています。米は武力クーデターのような形で新政権を担うことになったイスラム・シーア派のホーシ(Houthi)側と話し合いを持つ構えですが、前政権の親米路線が継続されるかどうかは不透明です。一方、イエメンで活動するアラビア半島のアルカイダ(AQAP)は1月29日、ホーシの地域リーダーを殺害しました。また、「イスラム国」はイエメンでの活動を活発化するようツイッターで呼び掛けています。イエメンは今、もっとも不安定になっている国で、無政府状態に突入するかどうかの瀬戸際にあります。

エジプト・シナイ半島で「イスラム国」グループの攻撃激化。軍・警察40人以上を殺害。スエズ運河そばでも

エジプト・シナイ半島北部で「イスラム国」グループの武装集団による軍・警察への波状攻撃が激化、1月29日にはエジプト軍などの40人以上(人数はばらついています)が殺害されました。スエズ運河沿いのスエズでも爆弾攻撃が起きています。攻撃はロケットや自動車爆弾などと多彩です。「イスラム国」の出先グループとしてはもっとも活発で、攻撃がシナイ半島北部からスエズ運河に拡大する恐れは十分にあります。 続きを読む

ヨルダンの「死刑囚はまだ出国していない」発表の意味

ヨルダン政府は「イスラム国」の指定したデッドラインの約1時間前に「死刑囚はまだヨルダン国内にいる」と発表しました。もし発言通りなら、物理的に交換場所まで期限内に到達することは難しいですから、期限は無視するとの重要なサインを発したことになり、「イスラム国」側の反応が注目されます。

ただ、言葉通り単純に捉えていいのかどうかには違和感もあります。一つは発言が事実ではないかもしれないことです。「イスラム国」はツイッターで発信し、ヨルダンも間接交渉だといわれます。その場合、記者会見なども相手へのメッセージの発信手段になります。そこで、パイロットの生存確認をさせるため、強気に出たことも考えられます。

これには賭の側面もあります。期限切れだとして殺害される可能性があるのですが、死刑囚の所在はノーコメントとしてもいいのに、敢えて「ヨルダンにいる」と発表したのには何らかの根拠があったと考えるのが自然です。それは「イスラム国」の言いなりにならなくても、イスラム国は殺害しないという見通しを持てたということではないでしょうか。「日没期限」は延ばせるという判断です。

今回の人質交換のオペレーションはヨルダンだけでは実行できないと思いますので、秘密裏に他国は関与して動いていると考えています。その中で解放が合意できたときには即応できる準備態勢を取っているのではないかと思います。それで、未確認情報として書いた「イスラム国」の
支配地域に入ったという情報を拾ったわけです。場所はイラクと考えられ、軍事的な防衛態勢を取った上で推移に対応できるように死刑囚を移動しておく、ということもあり得ると判断しました。

発言から別の見方もできます。それは交渉が行き詰まってしまったと判断している場合です。ヨルダンはあくまでも自国のパイロット解放を優先していますが、「イスラム国」が読ませた後藤さんのメッセージでは解放は後藤さん1人です。パイロットは殺害しないと言っているにすぎません。解放が約束されていない中で 、死刑囚を釈放することはできませんので、その前提となる生存の証拠を要求したという流れです。最後のやり取りになっても仕方がないという判断に立ったとも取れます。もちろん公式には解放への努力は継続している、と言いますが。

これに対し、「イスラム国」側の反応ですが、ヨルダンの発表後「イスラム国」から返答のようなツイッターの書き込みはないようです。幾つかあったものは内容が混乱していて、意味が不明です。

交渉は心理戦ですから、さまざまな情報が流れます。当然事実と異なる情報もあります。その発表があったとしてもそれを非難するわけにはいきません。

「イスラム国」が新たなデッドライン。「29日日没までに女死刑囚をトルコ国境まで連れてこなければパイロットは直ちに殺害される」

「イスラム国」に関連するツイッターに1月28日、拘束されている後藤健二さんの新たなビデオが掲載されました。音声とアラビア語のメッセージで、それによると、「29日日没までに私の命と引き換える女死刑囚をトルコ国境まで連れてこなければ、パイロットは直ちに殺される」というものでした。「イスラム国」が新たなデッドラインを提示したことになります。現在(日本時間29日午前8時半すぎ)、トルコは29日未明だと思います。あと十数時間で29日の日没になります。ヨルダンは「イスラム国」と直接交渉ではなく、間に宗教関係者や部族長老を立てた間接交渉を行っているようですが、緊迫した最終局面のやり取りが続いていると考えられます。

「イスラム国」が女死刑囚の奪還に強い執着があることが窺え、これは悪い兆候ではありません。「イスラム国」側が何としても女死刑囚を取り戻したいならネゴシエーションは押し引きができます。ヨルダンはパイロット奪還が絶対条件で、交渉のポイントはパイロットの扱いですから、「イスラム国」Vsヨルダンが基本の構図です。後藤さんと日本は交渉の“小道具”のようにも見えます。1対2のセット交換が何とか成立することを祈っています。

原文(英文翻訳)は以下の通りです。
“I’m Kenji Goto Jogo. This is a voice message I’ve been told to send to you. If Sajida al-Rishawi is not ready for exchange for my life at the Turkish border by Thursday sunset, 29th of January, Mosul time, the Jordanian pilot Mia’dh al-Jasaben will be killed immediately.”

(後藤さんのメッセージ原文)

(後藤さんのメッセージ原文)

【未確認情報】「取引は死刑囚と後藤さんとの交換」。パイロットは殺害はしないものの解放しない可能性も

「イスラム国」関連のツイッターで、「取引は死刑囚と後藤健二さんの交換。パイロットは殺さないが自由にしない」という書き込みがされました。後藤さんのセカンドメッセージでは、確かに自分の解放条件としてヨルダンにいる女自爆テロ犯の釈放を挙げていますが、パイロットについては解放が約束されているとは言わず、死刑囚の釈放がなければ自分とパイロットは殺される、と言っているにすぎません。パイロットは殺害回避の条件として釈放が位置づけられていることになります。ツツイッターの書き込みは、「この取引内容を思い出せ」と言っていることになります。

これに対し、ヨルダン政府の声明は「パイロットが解放されるなら死刑囚を釈放する用意がある」と言っており、後藤さんのセカンドメッセージとは異なります。政府声明は公表されていますので、パイロットの解放が実現しない中で死刑囚を釈放すると国民にウソを言ったことにもなります。このためパイロットが解放されないならばヨルダン側が死刑囚を渡さない可能性があり、最後の最後までどうなるか分かりません。交渉は大詰めです。

【未確認情報】女死刑囚は「イスラム国」の支配地域に入った

「イスラム国」に関連するツイッターが伝えたところによると、ヨルダンに拘束されていた死刑囚の女自爆テロ犯Sajida al-Rishawiがイスラム国の支配地域に入りました。公式には確認されていませんが、イスラム過激派の動きを監視しているサイトが伝えています。この情報が正しければ、“人質交換”に向けた具体的な動きが進んでいることになります。

ヨルダンが女自爆テロ犯釈放準備。後藤さん解放に期待。シリア北部の解放想定ゲートのトルコ側に外交官や報道関係者

ヨルダンが自国のパイロット解放なら女性自爆テロ犯を釈放するとの情報が現地で流れ、「イスラム国」の人質解放の際に使われるシリア北部のTal Abyadゲートのトルコ側には後藤健二さん解放に備え、外交官や報道関係者らが集まっています。日本政府の正式発表はありませんが、現地ではタイムリミットが近づく中で動きが慌ただしくなっています。

ヨルダンの国営テレビは「ヨルダンはパイロットのMaaz al-Kassasbehが解放されるならば死刑囚の女自爆テロ犯Sajida al-Rishawiを釈放する準備はできている」と政府声明を伝えています。後藤さんには触れていません。あくまで自国民を優先した形になっています。最後の最後まで予断を許しませんが、ヨルダンの決断で後藤さん解放に期待が高まってきました。

(パイロットの解放を求めるヨルダンの人たち)

(パイロットの解放を求めるヨルダンの人たち)

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「24時間以内に女性自爆テロ犯を解放しなければ、後藤さんとヨルダンのパイロットを殺害」

イスラム過激派テロ組織「イスラム国(IS、別名:ISIS、ISiS、ISIL、QSIS)」に関連するツイッターに1月27日、拘束されている後藤健二さんの新しいビデオが公開されました。この中で、後藤さんは最後のメッセージとして「24時間以内にヨルダン政府が収監している死刑囚Sajida al-Rishawiを解放しないならば、私とヨルダン人パイロットMu’adh al-Kasasibahは殺害される」と話しました。また、日本政府にヨルダン政府に圧力を掛けるよう求めています。

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ビデオは1分50秒と短く、「イスラム国」の広報マークは入っていません。後藤さんのメッセージは、奥さまと日本の人たち、日本政府に宛てた形になっています。ヨルダンに揺さぶりを掛けていますが、厳しい状況に変わりはないと思います。ただ、1人と2人の人質交換を持ちかけてきたことは「イスラム国」が女性自爆テロ犯の奪還に強い執着を持っていることをうかがわせます。ヨルダン人パイロットとの人質交換がうまくいかないため、後藤さんを追加材料に使ってきた可能性があり、何としても女性自爆テロ犯を取り戻したいなら、後藤さんカードを捨てることはマイナスになりますので、押し引きが可能になり、いい兆候といえるかもしれません。しかし、日本政府は「テロリストとは交渉しない。テロには屈しない」というスタンスを内外に宣言していますから、ヨルダンに解放を求めることは一貫性を損ない、また水面下で動くことが難しい状況にあり、やれることの幅は極めて狭くなっていると感じます。ヨルダンでは裁判所の判断に政治が介入できるのかどうかは分かりませんが、一縷の望みはまだ残っています。

★★海賊週報★★(2015・1・19~1・25 )

【ハイジャック・誘拐】=なし
【海賊未遂、強盗・窃盗の既遂・未遂】=東南アジア3件、ギニア湾1件、南アメリカ1件
【ソマリア海賊の疑わしい活動】=紅海4件 続きを読む

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