「誘拐ビジネス」で稼ぐアルカイダグループに2008年から1億2500万ドル以上の身代金。1人1000万ドルが相場に

アフリカなど治安の悪いエリアに進出しているグローバル企業にとって想定されるリスクの一つに「身代金目的誘拐」がありますが、ニューヨークタイムズが興味深い調査記事を載せました。「Paying Ransoms, Europe Bankrolls Qaeda Terror」と題した記事で、支払われた身代金がテロ活動の資金になっている実態をまとめたものです。

記事はこんな書き出しで始まります。「500万ユーロ(約6億円)の現金が詰まった3個のスーツケース」。これを運んだのは6人のドイツ上級外交官です。ほかには誰も乗っていない軍用機で北アフリカのマリに向かっていました。到着後、マリ大統領と秘密裏に接触します。このお金は正式な公金でした。「貧困で苦しむマリへの人道援助」として。しかし実際は、32人のヨーロッパ人人質の身代金で、渡る相手はイスラム過激派でした。スーツケースはピックアップトラックに積まれ、サハラ砂漠を数百マイル運ばれます。待っていたのは後にアルカイダの兵士になる、ヒゲ面のアラブ人でした。彼は砂漠に敷かれた毛布の上で現金を数え始めました。

これは2003年に起きたことですが、この誘拐ビジネスはアルカイダグループを中心に拡大し、有力な資金源となります。2003年当時は人質1人20万ドル(2千万円)でしたが、今では1人1千万ドル(10億円)に跳ね上がりました。ニューヨークタイムズの調査によると、2008年からの総身代金額は1億2500万ドル(125億円)に達し、昨年だけで6600万ドル(66億円)に上ると指摘。米財務省の同期間の推定では1億6500万ドルだと書いています。これらの身代金は、ヨーロッパ、中東、アフリカの10カ国の外交官や公務員から「開発援助」の名目で支払われたとみられています。

アルカイダグループはこれらの“収入”を武器購入や新人のリクルート費用・研修などに使っていますが、アルカイダグループの“営業収入”の約半分を占めるまでに成長。イスラム過激派の重要な資金源になっています。しかも「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」の幹部が「誘拐は簡単なことだ」と豪語するように、旅行者やビジネスマンを捕まえることは難しいことではないのです。身代金を得るまでの手口は、ソマリア海賊が身代金目的ハイジャックをビジネスモデル化したように、アルカイダグループもマニュアル化しています。例えば、誘拐後家族らに送られるビデオレターの最初の数分は音声を入れずに恐怖感をあおったり、交渉には外部の人間を使ったり、人質の拘束はアウトソーシングして別の犯罪組織に委ねてリスクを分散化したりしています。そして交渉を外部には漏らさないという誘拐の“基本ルール”はきちんと守っています。昨年、マリでアルカイダグループの内部文書をAPが入手し、確認されました。かなりソマリア海賊と似ていますが、海賊の方が学んだのかもしれません。ちなみに交渉人の報酬は10%のようです。

2008年からアルカイダグループに支払われた身代金(推定)
▽フランス 5810万ドル
▽カタールとオマーン 2040万ドル
▽スイス 1240万ドル
▽スペイン 1100万ドル
▽オーストリア 320万ドル
▽不明 2140万ドル

これに対しフランス、ドイツ、オーストリア、スイス、イタリアなどは全否定で、身代金の支払いを絶対に認めません。しかしソマリア海賊への身代金を公式に認めないのと同じで、何も驚くことではありません。政治スタンスを変更した日本も狙われる危険性が飛躍的に高まると考えられますので、企業のリスク担当者はうかうかとしていられません。ニューヨークタイムズの記事は長文ですが、参考になると思います。

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ハマス、「支持」のヒズボラに「参戦」を要請。ロシア通信社に伝える

ガザ地区のイスラム過激派ハマスの幹部は7月30日、ロシアのノーボスチ通信のインタビューで「ヒズボラは一緒に戦いに加わって」と、既に「支持」を表明しているレバノンのヒズボラに「参戦」を要請しました。イスラエルは北側に接するレバノン南部からヒズボラが参戦すれば、南部ガザ地区のハマスと二正面作戦を余儀なくされることになります。

停戦仲介に失敗した米のケリー国務長官がイスラエルに批判的な発言をしたため、米政府が軌道修正に躍起になっている中、イスラエルは30日、エジプトに数人を派遣し、局面打開の水面下の調整作業を行っています。一方、イランは「イスラエルと戦え」とハッパを掛け続けています。動きは目まぐるしいですが、収まる気配はまだ何も見えていません。

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★英国の大手武装ガード提供会社が突然「破綻」。武装ガードに報酬未払い、洋上放置

海賊バブルに沸き立っていた武装ガード提供会社(PMSC)の中でも10本の指に入る大手が突然「破綻」したようです。7月25日、仕事中にメールで違う会社が引き継ぐと知らされた武装ガードは報酬ももらえないまま、船上で途方に暮れていると英国メディアが特ダネとして29日に報じ、海事関係者の間で騒ぎが広がっています。 続きを読む

ガザ長期化の様相。イスラエルの攻撃エスカレート、ハマス側「強力ミサイル入手」、ヒズボラも支援宣言。アルシャバブは「世界でユダヤ人を狙え」と呼び掛け

イスラエルのガザ地区への爆撃やロケット攻撃がエスカレートしています。一時停戦明けの7月28日から29日にかけてだけで発電所、油の貯蔵所、ハマス幹部自宅、モスク、テレビ局などへ昼夜を問わない爆撃が続いています。ネタニヤフ首相は28日、自国民に攻撃は長期化するかもしれないと話しました。停戦の条件として、ガザ地区の非武装化を挙げていますが、とても実現しないと考えていると思われます。ガザ地区からのトンネルを破壊し尽くすことが最低ラインになるでしょう。先週のイスラエルの世論調査では、攻撃支持が70%を超え、停戦派は10%にも満たない結果でした。

(28日の空爆)

(28日の空爆)

(燃え上がる発電所)

(燃え上がる発電所)

(2カ所のモスクが攻撃された)

(2カ所のモスクが攻撃された)

(空爆を受けた建設中のテレビ局)

(空爆を受けた建設中のテレビ局)

一方、死者1100人以上(イスラエル側は市民含め約60人)、負傷者6500人以上を出しているガザ地区のイスラム過激派組織ハマスの非公然部隊幹部は「イラン製の新しいミサイルを入手した。どうなるかは見ていれば分かる」と西側メディアに答えるなど戦意は高揚しています。ニュースでは子どもの被害が取り上げられることが多いため、「パレスチナ=かわいそう、イスラエル=悪」というイメージが強くなりますが、一概にそう決めつけるわけにもいかない感じがします。イスラエル建国からの歴史的な憎しみの連鎖の中の“戦争”ですが、戦争であることには変わりありませんから、敵にダメージを与えるのが目的です。ハマス側はイスラエルが米軍と構築したミサイル防衛網を破る飛び道具でなければ戦果は上がりません。このミサイルは射程300キロの短距離弾道ミサイルで、弾頭は600キロです。これまでイスラエル側に打ち込んでいるロケット砲は射程数十キロ程度ですから、破壊力は格段に大きくなりますが、これが本当なのか、そして何発あるかです。 続きを読む

フランスもリビアから避難。ヨーロッパで最後、100人が船で

内戦状態に近くなっているリビアでは国連やアメリカなどが外交官や自国民を国外避難させていますが、フランスは7月29日に100人弱の自国民を船で国外に避難させました。ヨーロッパ各国も自国民を脱出させ、フランスが最後になったようです。

政府軍と反政府グループが入り乱れて各所で衝突を繰り返しています。この一両日でベンガジでは政府軍機が撃墜され、トリポリでは国際空港が攻撃され、2カ所の油槽所が爆発炎上しました。

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西アフリカ・ガーナ沖でプロダクトタンカーがハイジャックされる

西アフリカ・ギニア湾のガーナ南沖で7月26日、キリバツ船籍のプロダクトタンカー“ Hai Soon 6”(5,497DWT、1993年建造、船主・管理:HAI SOON SHIPMANAGEMENTーSINGAPORE、IMO:9062697、旧船名:MATSUYAMA MARU NO.27=2010年まで)が積荷の軽油(Marine Gas Oil=MGO)を別のタンカーに移すSTS作業中に重武装した10人の海賊から攻撃を受け、ハイジャックされました。 続きを読む

マレーシア沖南シナ海で海賊攻撃。インドネシア人船員が首撃たれ重傷

シンガポール北東のマレーシア・Pengerangから北東約2・5海里の南シナ海で7月25日午後10時40分頃(現地時間)、航行中の“MT Jix Iang”で武装した7人の海賊がインドネシア人乗組員の首を拳銃で撃ち、重傷を負わせました。マレーシア海事当局が2隻を派遣し、病院に収容しました。船には中国人1人、ミャンマー人7人、インドネシア人6人の14人が乗り組んでいました。海賊は結局失敗し、船内には2丁の拳銃と大型のナイフが残されていました。 続きを読む

★★海賊週報★★(2014・7・21~7・27) 

【ハイジャック・誘拐】=なし
【海賊未遂、強盗・窃盗の既遂・未遂】=東南アジア3件、南西アジア1件、西アフリカ1件
【ソマリア海賊の疑わしい活動】=紅海1件 続きを読む

ボコハラム、カメルーン副首相の妻らを拉致、3人殺害

アルカイダに近いイスラム過激派ボコハラム(Boko Haram)の武装集団が7月27日、ナイジェリア国境に近いカメルーン最北部の町Kolofataを襲撃し、カメルーン副首相の妻や町長、宗教指導者らを拉致、少なくとも3人を殺害しました。地域のカメルーン軍司令官が明らかにしました。ボディガードによると、副首相は自宅にいましたが無事でした。

ボコハラムはKolofataに留まって軍と戦闘を継続しています。ボコハラムはナイジェリアが本拠ですが、このところ活動範囲を拡大しています。

ソース

客船“コスタ·コンコルディア”、最後の「航海」終える

イタリア沿岸で2012年1月に座礁・横転した客船“コスタ·コンコルディア(Costa Concordia)”(114,147 トン)は7月27日、強風のため予定より1日遅れてジェノバ港に到着、最後の「航海」を終えました。タグボートに曳かれてゆっくりと港に入った“コスタ·コンコルディア”は解体されて姿を消します。

(タグボートに曳かれてジェノバ港に到着した“コスタ·コンコルディア”=BBCからスクリーンショット)

(タグボートに曳かれてジェノバ港に到着した“コスタ·コンコルディア”=BBCからスクリーンショット)

ソース (BBC=このビデオが良かったのですが、共有できません)

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