各国とも南スーダンから自国民らの避難急ぐ。軍用機でウガンダなどに

南スーダンの武力衝突がエスカレートしているため各国とも自国民の国外脱出など安全確保を急いでいます。12月19日にアコボ(Akobo)の国連拠点が2000人ほどの武装した若者に襲撃され、インドの平和維持部隊2人が殺害されましたが、武装化したヌエル族の若者らは戦略的な要衝であるボル(Bor)をほぼ制圧し、21日にも国連施設などへの攻撃の準備を進めているようです。ボルの国連施設には救援を求めて負傷した地元市民3万4000人ほどが逃げ込んできています。このため英国は20日、軍輸送機で自国民53人を含め182人を隣国ウガンダに避難させました。米国も航空機で自国民の脱出を進めています。中国は国営石油会社の作業員を首都ジュバ(Juba)に避難させました。国連の要請を受けてウガンダが緊急に部隊を派遣しました。

bor

(英国軍の輸送機で脱出する南スーダンの英国人ら)

(英国軍の輸送機で脱出する南スーダンの英国人ら)

民族図

21日にはジュバで亡くなったインド兵の葬儀が行われますが、南スーダンのPKO(国連平和維持活動)は危険度が高い活動になっています。派遣部隊は国連安保理からの任務を遂行するわけですから大変ですが、それが国際貢献ですし、当然の軍の任務です。日本の陸上自衛隊も最後まで各国の派遣部隊と同様に活動するでしょうから、無事に戻られることを祈っています。

ソース1

【更新】南スーダンの国連拠点に攻撃。インド平和維持部隊の2人殺害、1人負傷

クーデター未遂から武力衝突が続いている南スーダンで12月19日、ジョングレイ州アコボ(Akobo)の国連拠点が攻撃を受けました。国連のJan Eliasson副事務総長によると、死傷者が出ているが詳細は把握されていないといいます。インドの国連大使は自国の平和維持部隊の3人が殺害されたと発表しましたが、20日国連スポークスマンは死亡は2人で1人が負傷したと修正しました。襲ったのはDinka族の若者とみられ、インド大使は「狙って攻撃してきた」と述べています。他のインド平和維持部隊約40人は近くの南スーダン人民解放軍(SPLA)基地に移動しました。アコボはエチオピア国境に近い場所で、日本の陸上自衛隊が派遣されている南部の首都ジュバやその東西のエクアトリア州とは離れています。

国連は今月13日に2013年の平和維持活動での犠牲者を90人と公表しています。多かった場所はスーダンのダルフール地域で、14人を失っています。また29人は意図的な攻撃を受けて殺害されました。今回の攻撃を受けて潘 基文(Ban Ki-moon)国連事務総長は攻撃者を強く非難する声明を出しました。

南スーダン地図akobo

南スーダン地図2

(南スーダンオイルマップ)

(南スーダンオイルマップ)

※20日国連が死者数を修正したため、当ブログも修正しました。

ソース0(国連ニュースセンター)

ソース1

ソース2(AFP)

ソース3(BBC)

ソース4(ワシントンポスト=AP)

ソース5(死者修正。ロイター)

ブラジルでLPGタンカーが爆発、出火。1人負傷

ブラジル・Aratu港TPGターミナルで12月17日午後6時頃(現地時間)、プロパンガスを積荷中だったバハマ船籍のLPGタンカー“GOLDEN MILLER”(16,225DWT、船主:シンガポール拠点のPetredec、1993年建造、IMO:9021667)が突然爆発し、出火しました。 続きを読む

英海軍、初の無人偵察機「スキャンイーグル」をソマリア海賊対策に投入

英海軍は12月17日から初の無人偵察機「スキャンイーグル(ScanEagle)」をソマリア海賊の偵察・監視業務に投入しました。今年6月にボーイング社と2機3,000万ポンド(ざっと51億円)で契約した無人機サービスの1機です。最初の任務にソマリア海賊監視を選んだのは操作を習熟するために適当だという判断があるように感じます。訓練的実戦の場としてソマリア海賊はピッタリでしょう。さっそく高度19,500フィート(約6,000メートル)で飛行していました。月に300時間ほど飛ぶようです。

(ソマリア海賊の監視活動に向かうスキャンイーグル)

(ソマリア海賊の監視活動に向かうスキャンイーグル)

(カタパルトから発射されるスキャンイーグル=6月の資料)

(カタパルトから発射されるスキャンイーグル=6月の資料)

他の海軍もそうですが、ソマリア海賊は格好の練習台になります。“敵”の攻撃能力のレベルは低く、武器も大したものではありません。武力制圧するにしても被害のリスクは限りなく少なくてすみます。日本の海上自衛隊の艦船1隻が今月から商船の航海護衛任務(エスコート)から他国海軍と同じ任務に近いゾーンデフェンス業務に変わったのは、集団的自衛権行使を射程に入れた“予行演習”ではないのだろうか、と勝手に推測しています。実包で武力制圧もしなければ仕事にならないわけですから実戦練習にピッタリです。そういう視点で海自艦船の活動を見ていこうと思いますが、何しろ実務の情報開示が少ないですからなかなか分かりません。他国海軍は多すぎるぐらい画像などとともに活動や成果を公表しますが、税金で派遣されている以上当然のことです。日本の艦船も任務が変わった以上、他国海軍と同じレベルで情報開示してもらわなくては世界の海事関係者が困りますから変わるでしょう。

ソース1

ソース2(契約時)

「海猿」で新ビデオ。30メートル海底下の3日目救出劇-ナイジェリア沖 ※付録に今年の重大海事ニュース20

以前にナイジェリア沖の水深30メートルに沈没したオフショアタグボート“Jascon 4”から3日目に奇跡的に乗組員(コック)が救出されたビデオを紹介しましたが、その別バージョンのビデオがあります。西アフリカの“海猿”による水中実務作業の様子です。映画のように格好良くはないですが、それだけにリアルです。

このビデオを紹介していたのは海事情報サイト「gCaptain」ですが、ここで「2013年閲覧ランキング20」を載せていて、このビデオはその20位です。このランキングは衝撃度ランキングのようなもので、世界の海事問題に関心がある人たちがどれだけ見たかが分かります。 続きを読む

インド裁判所、武器違法積載容疑の米国船乗組員の保釈請求を棄却

インド領海で武器を許可なく積載していたとしてインド当局は10月に米国船籍船“MV Seaman Guard Ohio”(米国の海事セキュリティ会社AdvanFort所有)を拿捕し、乗組員35人を逮捕しましたが、この乗組員の保釈請求に対してマドラス高等裁判所は12月18日、保釈を認めない決定を下しました。 続きを読む

ナイジェリア沖でプロダクトタンカーに海賊攻撃。船長、機関士を拉致

西アフリカ・ギニア湾のナイジェリア・ニジェールデルタ沿岸から35海里沖で12月16日夕にマーシャル諸島船籍のオイルプロダクトタンカー“MT ALTHEA ”(6,333DWT、IMO: 9396309)が海賊の攻撃を受け、ウクライナ人船長とギリシャ人機関士の2人が拉致されました。 続きを読む

監視カメラは見た、イエメンの病院攻撃(動画1本)

イエメンの首都サヌアの防衛省複合施設内にある軍の病院が12月5日に武装集団の攻撃を受けましたが、その様子を捉えた監視カメラ映像があります。ケニアのショッピングモール攻撃もそうでしたが、攻撃者はいとも簡単に一般人を殺戮していきます。 続きを読む

ソマリア大統領、新首相を指名。世界銀行などで開発業務経験者

ソマリアのハッサン・ シェイク・モハムド(Hassan Sheikh Mohamud)大統領は12月12日、新首相にAbdiweli Sheikh Ahmed Mohamed 氏(1959年生まれ)を指名しました。モハメド氏は世界銀行などで国際的な開発業務に携わってきた人です。正式決定するには国会(275人)での承認が必要になります。モハメド氏に政治的な経験はなく、部族社会と武装組織アルシャバブという難問を解決する実務能力は未知数です。1年2カ月での首相交代となります。

(ソマリア新首相)

(ソマリア新首相)

ソース

ソース2

 

【一部訂正】イエメン・サヌアで武装集団に日本大使館員刺される。誘拐狙う?

イエメンの首都サヌアで12月15日朝(現地時間)、車で出勤途中の日本大使館員が武装集団の襲撃され、誘拐されそうになりました。抵抗した大使館員は刃物で5回ほど刺され負傷しました。生命に別状はありません。彼のボディガードも同様に負傷したようです。犯人グループは特定されていませんが、反政府の部族かイスラム武装組織ではないかとみられています。

イエメンで外国人が襲われたり誘拐されるのは日常茶飯です。11月にはサヌアでベラルーシの軍事請負業者が武装集団に襲われ、殺害されていますし、今月に入ってからは5カ月拘束されていたオランダ人のカップルがようやく解放されています。またテロ攻撃は続いており、南部イエメンの天然ガス施設への攻撃が続いていますし、今月には南部サヌアの国防省複合施設への攻撃で病院も襲われ56人が殺害されています。イエメンは最も危険な国の状況にあったことは間違いなく、クライシスアラートは真っ赤な状況にありました。

今回日本大使館員は自宅のレジデンスから自分の車で大使館に向かっていたようです。アルカイダ系組織によるテロ攻撃の脅威が高まった今年の夏以降は状況から考えれば、政府なり外務省なりが襲撃回避のための対策を指示していなければなりませんし、指示していたでしょう。普通なら武装ガードを同乗させて集団出勤するなどの対策になります。仮に誘拐されていたら要求に対応しなければならなくなります。要求は身代金ばかりではありませんから被害に遭うことは他国にも影響を与えることがあります。

それだけにテロ対策が十分だったのかが問われます。やるべきことをやっていても襲われることは当然あります。銃使用が普通の国で丸腰で戦えるはずがありません。日本は立派な“西側”の一員ですし、外交官はもっとも狙われやすい立場です。被害者には同情しますが、実態に即したクライシス対策が行われていたのかの検証が必要でしょう。

ソース1(アル・アラビア)

ソース2(プレスTV)

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