LNGタンカーからコカイン211キロ、南米ペルーの港で発見

南米ペルーのピスコ(Pisco)港で現地コーストガードと港湾当局が9月8日、LNGタンカー”Hispania Spirit”(137,814cbm、船籍:スペイン、船主・オペレーター:Teekay Shipping=英・グラスゴー、IMO:9230048)のコンパートメントの一つからコカイン211キロを発見、乗っていた乗組員ではないベネズエラ人を逮捕しました。 続きを読む

中国艦船、アラスカ沖の米国領海を通過。米、中国の北方進出を警戒

米国防総省は9月4日、ベーリング海に展開していた5隻の中国艦船が米国領土から12海里の領海を通過したことを明らかにしました。 続きを読む

国際船級協会連合、MOL Comfort事故受けコンテナ船の安全に焦点。日本船級協会に詳細な調査結果求める

 7月に国際船級協会連合(IACS)の新会長に就任したRoberto Cazzulo(イタリアのRINA Services会長)氏は、MOL Comfortの事故を受け、IACSとしてコンテナ船の作業上の問題ばかりでなくローディングコンデションやデザイン、船体の材質も検討するグループを設立したことを明らかにしました。 続きを読む

MOL Comfortの海難事故マップ

 “MOL Comfort”が破断してから船首部分の沈没までの位置図です。周辺国への被害は最小限に食い止められているようで、これは救いです。原因は分からないままになってしまうかもしれませんが、アラビア海をさまよった悲劇のコンテナ船の軌跡を確認しておきます。

MOL-Comfort-635x424 破断-沈没1-沈没2

ソース

“MOL Comfort”のコンテナ火災でインドに広がる「有毒貨物の脅威」

 インドのメディアを発火源として“MOL Comfort”のコンテナ火災による「有毒貨物の脅威」の指摘が出ています。海上に落下したコンテナの燃え残りがインド領海に近づいてきたためです。情報源になっているのは消火活動に当たったインドの沿岸警備隊や海軍ですが、「Poisonous cargo 」とか「hazardous substance from the containers 」の表現がされています。具体的な毒性などについては「知らされていないので分からない」といいながら、「有毒物質の脅威」だけが一人歩きしています。風評被害の典型的なパターンですから、正確な情報開示と説明が必要になります。

 商船三井が積荷について何も情報開示していないことが原因です。火災の結果、有毒な物質を発生させるものがないなら早急に説明するべきですし、もし有毒物質が含まれているならそれを伝えるべきです。仮にインド側に健康被害や環境被害が発生するなら、これはインド法に基づく刑事事件になる可能性があります。軽い刑で済まないことがあり、場合によっては外交問題に発展します。

 時速1ノット程度とゆっくりですが東に流されており、やがてインド・ムンバイ沖に到達するとみられています。曳航は大事な作業ですが、周辺国に対する配慮は別でしょう。沿岸住民の不安除去は事故の責任者として日本が行うべき事柄だと思います。日本時間の10日夜からこのニュースがインドメディアや海事情報サイトに広がっています。訳が分からない「有毒物質」の不安は早く取り除くことが大切です。

ソース1(ここから始まりました)

ソース2(同じ記事ですが、インドメディアばかりでなく、海事情報サイトにも広がっています)

★MOL Comfort、沈没前の無惨な姿。コンテナは全焼

(無惨=クリックで拡大します)

(無惨=クリックで拡大します)

 海事情報サイト「Gcaptain」は7月10日(ロンドン時間)、“MOL Comfort”の最新画像を公開しました。おそらく10日に撮影されたものと思われます。画像の提供者は明らかにしていませんが、インド海軍か沿岸警備隊とみられます。火災はほぼ鎮火したように見えますが、甲板上のコンテナは全焼し、かなりは海上に落下したと思われます。

 この後インド時間で11日午前1時頃、メールで「バランスを崩して沈み始めている」と連絡が入ったと伝えています。商船三井も、日本時間午前4時頃、19’56″N 65’25″Eの水深3000メートルの公海で沈没したと発表しました。沈没時は深夜ですので、この画像が最後の姿になるのかもしれません。これで原因解明は極めて困難になりました。

ソース

MOL Comfort、焼けたコンテナが海面落下。火勢制御できず(画像6枚)

 インド沿岸警備隊によると、7月9日午前(現地時間)現在、“MOL Comfort”の火災の勢いは依然として激しく、コントロールできる状態にはなっていないようです。また焼けたコンテナが海面に落下しています。船体も無残な姿になってきています。インドの巡視船“Samudra Prahari”が懸命な消火活動を展開しています。

MOL-Comfortコンテナ落下2

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MOL Comfort、インド「消防船」による懸命の消火活動続く(画像7枚・ビデオ)

火災2

インド・ムンバイ沖で火災が発生した“MOL Comfort”前部の消火活動に当たるためインド沿岸警備隊の消火設備を持った巡視船“SAMUDRA PRAHARI”が7月8日現場に到着し、直ちに消火に着手しました。 続きを読む

“MOL Comfort”、今度は火災。火勢激しくインド沿岸警備隊の「消防艇」が急行

(激しく燃え上がる“MOL Comfort”=IndiaTVNews.com)

(激しく燃え上がる“MOL Comfort”=IndiaTVNews.com)

オマーンのSohar港に向け曳航中だった“MV MOL Comfort ”の前部から出火しました。位置はインド・ムンバイから約310海里のアラビア海で7月6日未明(現地時間)のことです。

【クライシスマネジメントの現場《番外の下》】日本海事協会の発表文から伝わったもの-意思決定と開示

 破断コンテナ船の安全検査を行った日本海事協会は7月5日、事故後2回目のプレスリリースを出しました。日本語版の内容は
「1. 本船の図面は、本会の鋼船規則の要求事項を全て満たしていることを今回再度確認しました。(本船の図面は、本会が建造前に本会の鋼船規則に基づいてチェックし、承認しております。今回、この承認が規則に基づき適正に行われたことを確認しました。)
 2. 本船は2013年5月29日に定期検査(Special Survey)が完了しております。この検査が適正に実施され、検査時点において問題となる箇所が無かったことを今回再度確認しました。
 本会は、引き続き株式会社商船三井、三菱重工業株式会社と共同で事故原因の究明に全力を尽くしてまいります」というものでした。

 同時に英文でもリリースがされています。英文では
「Under the leadership of ClassNK Executive Vice President Toshitomo Matsui, the ClassNK Casualty Investigation Team continues to cooperate with Mitsui O.S.K. Lines (MOL), Mitsubishi Heavy Industries (MHI), and government authorities to determine the cause of casualty.
 As part of the ongoing investigation, an exhaustive review of the MOL Comfort’s design as well as the plan approval process has been completed.
This review has verified the results of the plan approval process, and confirmed that the vessel design fully complied with all requirements of the ClassNK Rules and IACS regulations.
 A similar review of the vessel’s survey records has also been completed, and confirmed that the Special Survey of the vessel completed on 29 May 2013 was carried out in full compliance with the regulations and guidance for Special Surveys. The review also verified that no abnormalities were observed during the Special Survey and that the vessel was in full compliance with all requirements of the ClassNK Rules and IACS regulations at the time of survey completion.」となっています。

 要約しなかったのはこれから何が伝わったかを考えるためです。ある英文の海事情報サイトはこんなタイトルを付けています。「ClassNK::MOL Comfort Was Fully in Compliance」。船は完全に基準に適合していたということでしょうか。リリースの日本文と英文で違うのは加盟しているIACS(国際船級協会連合)の規則にも適合していた、と書いていることです。検査機関としての手落ちはなく、船も基準に則って設計、建造されていた、と発表したことになります。消去法でハードに問題がないならば原因はソフトに行き着きます。事故後から指摘はされている積荷の重量バランスの問題や過積載があったのではないかという問題がクローズアップされることになり、そういうトーンの書き方もされています。

 そうなのかもしれません。が、アラビア海を曳航中の現時点では原因解明に繋がる何の物的な証拠も得られていません。船体上部でなく中腹部の割れ目は画像で確認できますが、肝心な破断面の調査も行われていません。分かっていることは見事なまでに真っ二つに船体が割れたという事実だけです。この事故が世界中で注目されているのは、破断という事象の衝撃もありますが、同時に薄くて強いという「YP47鋼」を破断リスクが高いとされる船体の上甲板まわりに使った世界初の大型コンテナ船だという点にあります。三菱重工、日本海事協会、商船三井、長崎総合科学大学の産学連携で開発にあたり、特許も取得し、「高強度と高靭性を兼ね備え,その特性をいかした板厚低減と適切な鋼材配置設計により,超大型コンテナ船の脆性破壊に対する船体構造信頼性を大幅に向上した」(三菱重工技報 VOL.44 NO.3 : 2007)という船で起こった破断事故なのです。

 日本海事協会にしても、2007年のレポートを読む限り、初めてYP47鋼を使ったコンテナ船の安全性評価に取り組んだように窺えます。科学的な知識に基づくものではありませんが、原因がまったく解明されていない段階で、手続き的に基準に合致していることがどれほどの意味があるのだろうか、と発表を読んで感じました。シンガポールでの積載時にとんでもない重量アンバランスになったとしても、「脆性破壊に対する船体構造信頼性を大幅に向上した」コンテナ船がそんなに簡単に折れるものなのだろうか、という疑問はぬぐえません。発表には基準そのものが正しかったのかどうかについては何も触れられていません。万一ダメ基準だったとしたらいくら手続き的な瑕疵がなくても何の意味もありません。要は破断を食い止められなかった原因を解明して、二度とこうした事故を起こさないことなのです。マニュアルに合致していれば良しとする誤った物真似概念が横行していますが、結果が悪ければマニュアルが悪いのです。ホギング、サギングを引き起こした波が特別だったのかもしれませんが、世界にはもっと大きなコンテナ船が走っています。問われているのは基準そのものが適切だったかどうかではないでしょうか。検査には何も引っ掛からなかった合格船が破断したのです。率直にいって「ウチの手落ちはありませんよ」とだけいっているように聞こえました。

 前置きが長くなりましたが、意思決定と開示の関係でみてみます。クライシスは当然深刻な事態を招きます。会社の経営を危うくするような場面に直面することもあり、それに対応したさまざまな意思決定がされます。これは経営マターそのもので、私に語る知識も経験もありませんが、その際に留意されたらいいと思うことが2点あります。一つ目はどう読まれるかを考える、ということです。日本海事協会は、ロンドンでの会議で指摘されたのかもしれませんが、組織内で行った作業の結果を発表したにすぎないのかもしれません。しかし読み手は発表されたものからさまざまなことを読み取ろうとします。何らかの意図が隠されているのではないだろうかと考えます。ですから送り手側は事実を書くにしても、読み手を意識することが大事になります。

 この視点を持つことは発信する内容を決める際にも役に立ちます。「言いたいことより聞きたいこと」を意識しながらまとめていくと、発信した情報がスムーズに浸透していくことが多くなると思います。どうしても会社や組織内の目を意識しがちですが、こっちばかりを見ていると「保身や傲慢」の方向に振れがちになります。例に取り上げて申し訳なかったのですが、海事協会にそんな意図はまったくなかったと信じます。

 外向けの意思決定には、本音というか狙いが込められることがあります。こう発表することでこう会社を見てほしい、とか、こういう流れに持っていきたいとかいうものです。今回も確認できたことを取り敢えず公表しよう、と考えられたのではないかと思います。そうであるならリリースはそう受け止められるような表現で書かれなければなりません。日本文で言えば、「原因調査に全力を尽くしてまいります」が最後の“なお書き”になっているため、リリースの主題とは受け止められないことになります。せめて英文のように順番を逆にすれば、少しは違ったと思います。意思決定の腹の中とリリースがまったく同じ方向を向いていなければならないということです。そしてそれが的確に読み手に伝わらなくてはいけません。限られた時間の中で“言うは易く行うは難し”の作業ですが、実現しなければなりません。ヒントになるかもしれないと思うのは、意思決定の段階で“込める狙い”を明確化して、指示することです。単に事実を並べたものでも、どの事実を書くかによって受ける印象は違ってきますから、外に出す前の最終チェックをおろそかにしてはいけません。

 二つ目は、「金よりのれん」です。クライシスに遭遇した時は平時ではありませんし、注目される位置に置かれることが多いです。その時にはレピュテーションを気に掛けることが大切だと思っています。要は信頼、信用を大事にするということです。「さすが」と言われるか、「何やってんだ」と言われるかは天と地ほどの差があり、それは記憶に残ります。では具体的にどうすればいいのか。場面場面で異なりますので一概にはいえませんが、自分ではフェアと体温を心掛けています。フェアとは誠実と言ってもいいかもしれません。体温は赤い温かい血が流れている、というイメージです。ヒューマニティといってもいいかもしれません。実はクライシス時にはこれが試されることがよくあります。極限に近い中では素の人間が姿を現すからです。これは人間の集合体である会社・組織でも同じです。意思決定を見ていると、感心する会社もあれば、「やっぱりな」と剥げたメッキを目にすることもあります。トップの人間性に依存するところが大きいですが、しっかり根を張った企業ではあまり当たり外れはなく、のれんの重みを実感するわけです。

 意思決定したものを外にだすのが開示です。その方法は記者会見やメール、ホームページなどさまざまあります。記者会見は参考になるものが氾濫していますので、ホームページに限って考えてみます。おそらくこれからの情報開示の中心はホームページになると思います。ホームページは自前の媒体を持つことなので、企業側にとって自由度が高く、伝えたいことを十分に発信できる長所があります。日本もだんだんホームページの信頼性が高くなり、これを基に他のメディアが記事を作成するようになると思います。

 そこで気をつけなければならないのは、「正しい情報」が絶対条件になります。触れないという選択肢はありますが触れてウソという選択肢はありません。これをやったら信用はゼロになります。IRとは違って法には基づかない一般のリリースも同じです。グローバル展開をしている企業では他言語版が必須となりますが、これには改善の余地があるところも散見されます。私は昨年からある大学の英語版ホームページをディレクションしましたが、日本語版の翻訳で事足れり、と考える意識を変革することを心掛けました。文化も生活習慣も異なるわけですから自ずと「読む相手」を考えたコンセプトが求められます。同じように企業でも日本語版と異なる英語版を考える時期に来ているのではないかと思っています。もちろんクライシス時の意思決定の内容を変えるという意味ではありませんが、例えば、外国人乗組員の割合がこれほど増えているのですから、そのフォローが必要な時には英語版だけ書くといった気配りが必要だと思います。よく「社会への説明責任」と言われますが、これは「世界への説明責任」に変えなければなりません。あっという間に情報は地球を一周する環境の中にいるということを忘れてはならないように思っています。

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