英3艦目のフリゲート艦が湾岸へ。有志連合に参加

英国が湾岸に派遣する3艦目のフリゲート艦が8月12日、英ポーツマスを出港しました。到着後、米国が主導する有志連合に加わる予定です。 続きを読む

バーレーン、湾岸国で初めて米の有志連合に参加表明

バーレーンは8月19日、首都マナーマで米中央軍の将軍に米が主導する有志連合「Maritime Security Initiative(海事保安イニシアティブ)」に参加すると伝えました。湾岸国からの初めての参加表明です。米以外では英国、イスラエル(協力範囲は諜報など)に次いで3カ国目になります。 続きを読む

イランタンカーがジブラルタル出航、地中海をギリシャに向かう。イラン、公海上での米拘束を警告

船名を変えたイランタンカーは8月18日23:16 UTC頃、ジブラルタルを出航しスペイン沖を通って地中海をギリシャ・Kalamata島に向かっているようです。 続きを読む

イランタンカー、船名変更しイラン旗掲揚、出航準備が進む。ジブラルタル、米国の没収要請を拒否

(船名が変わり、イラン旗が掲げられたイランのタンカー)

英国海外領のジブラルタル沖に停泊しているイラン原油を積んだ超大型タンカーですが、8月17日に船名を変更し、船上にはイランの国旗が掲げられました。イランは交替乗組員が到着し、18日夜には出航する予定だと発表しました。解放を阻止したい米国は16日にタンカーを積荷ごと没収する令状を取ったと発表していますが、その時のタンカーは別名でした。さあ、米国はどう動くかです。イラン海軍は「タンカーを護衛する準備はできている」と言っており、強攻すれば衝突のリスクが現実になる恐れがあります。 続きを読む

米司法省、「イランタンカーの没収令状取得」。ジブラルタル、「令状は来ていない」

(船名も消されたイランの原油タンカー)

何が何でもイラン原油積載の原油タンカー“Grace 1”の解放を阻止したい米国司法省は8月16日遅くに、国際緊急事態経済権限法(IEEPA)違反、銀行詐欺、マネーロンダリング、テロ資金没収法違反を理由としてタンカーそのもの、積荷の原油全量、現金995,000ドル(約1億円)の没収を認める令状を取得したと発表しました。英国の海外領土ジブラルタルが解放するというなら米国が押さえるということでしょう。ただ、米国の裁判所が米国法に基づいて発行した令状を基に、解放を認めたジブラルタル当局が没収するのは主権のありようとしても些かおかしな話です。ジブラルタル領海を出たところで米国が執行するのでしょうか。何でもありの米国の焦りが垣間見える感じで、国際社会がどう見るか注目されます。 続きを読む

イランタンカーはまだジブラルタル沖で停泊

ジブラルタル当局が8月15日に解放を決めたイラン原油を積んだ原油タンカー“Grace 1”ですが、16日になって一度場所を変えたものの依然、ジブラルタル沖に停泊しています。解放を阻止したい米国は「輸送することでテロ組織のイラン・IRGCを支援したことになり、乗組員も深刻な結果を受ける可能性がある」と乗組員にも脅しを掛けました。16日の出航も難しそうです。 続きを読む

韓国の対海賊部隊は有志連合にスライドするのか

9月から6カ月にわたってアデン湾で第30次の対海賊ミッションにあたる韓国の駆逐艦“Kang Gam Chan”(4,400トン)が8月13日に釜山港を出港しましたが、この部隊が活動エリアを拡大することで米国が主導する有志連合に参加することになるのではないかという見方が韓国内で広がっています。イランは大口顧客だった韓国に「中立」を守るよう牽制しており、韓国は公式には「有志連合に参加するかどうかは慎重に検討しているが何も決まっていない。部隊はこれまで同様海賊対策にあたる」と言っています。16日現在、有志連合に参加することを明確にしたのは英国とイスラエル(協力分野を限定)の2カ国にすぎません。EUは今月下旬に方向を協議することにしています。今月中には「最低20カ国以上」を目論む有志連合がスタートできるかどうかがはっきりしてくるとみられます。 続きを読む

ジブラルタル、拘束したイラン原油積載タンカーを解放へ。米国は反対したが

英国の海外領土であるジブラルタル当局が8月15日、拘束しているイラン原油積載タンカー“Grace 1”(300,579 DWT、船籍:パナマ、1997年建造、IMO:9116412)の船長と乗組員3人を釈放したようです。地元メディアが伝えています。ジブラルタルの裁判所は「原油をシリアに運ばない」というイランの保証が得られたとしてタンカーの即時解放も決定、モロッコに向けて航行が許されるとみられます。しかしその前に米司法省は解放に反対を表明しました。米国の妨害を拒否してタンカーは自由の身になるのか、それともジブラルタルが解放した後、米国が拘束することになるのかはまだ不透明です。タンカーは15日現在、出航はしていません。 続きを読む

「イランが船舶のGPSに干渉。ブリッジ間通信でなりすましも」ー米の軍・運輸省が警戒呼び掛け

5月からの6回の商業船攻撃やタンカー拘束を分析した結果、イランによるホルムズ海峡を通過する船舶のGPSへの干渉や船同士のブリッジ間通信でなりすましが発生しているとして米の中央軍司令部や運輸省海事局が警戒を呼び掛けました。8月7日に伝わった情報です。GPSを使って航行していると知らない間にイラン領海に迷い込むように仕組まれていると指摘しています。サイバー攻撃も普通に行われているようです。 続きを読む

「海賊よりたちが悪い拘束」に悲痛な声を挙げるしかない船主

ジブラルタル沖で英国などにシリア向けのイラン原油を積載したタンカーが拘束された報復としてイランによってスウェーデン船主の英国船籍タンカーがホルムズ海峡で拘束されてから19日。船主は8月6日、「不当な拘禁で容認できない。乗組員に満足に接触することもできず、長期の監禁で健康状態が心配だ」と悲痛な声を上げました。イランはタンカー交換を持ち出しているようですが、英国が応ずることはなく、解放への道筋はまだ見えません。海賊ならば交渉の余地がありましたが今回は“政治犯罪”のため、船社側が行えることには限りがあります。

一部の船員組合はホルムズ海峡への乗船拒否権を獲得、乗船の場合には基本給を2倍にすることになりました。船主の中にはホルムズ海峡を回避するところも出始めています。日本の一部メディアに艦船派遣ではなく、航空機で対応する案が検討されているような記事が掲載されましたが、今回のスキームから見てナンセンス極まりない話です。それで防衛できるならインドも英国も艦船を出すはずがありません。艦船派遣には莫大な費用が掛かります。それでも出すのはミサイルや魚雷などの武器と対峙する局面がある可能性がある事案だからです。ソマリア海賊で行った海自が空から監視や追尾をしましたが、それは海上でヨーロッパやNATOの艦船が走り回ったから意味があったのです。

2,000隻もあるイランの高速ボートが何隻もでタンカーを捕まえようとした場合、空から何をしようというのでしょうか。「やめて!」とお願いするのでしょうか。お願いされてやめるはずもなく、その場合海賊でやったようにまたどこかの国の艦船に助けてもらうのでしょうか。今回米国が狙っている有志連合のスキームは、それぞれの国が自分の商船を守る、というものだと思います。米国は司令部機能を持つだけで実務はそれぞれ自前でやれ、という「安保ただ乗りは認めない」トランプ流の構想だと理解しています。インドは艦船を派遣し、求められればタンカーなどに兵士を乗船させています。船内の“官製武装ガード”と艦船が連携しながら護衛するという形を取っています。

現在、イランは闇雲に拘束しているわけではありません。英国の(英国船籍の)タンカーを狙うのは、ジブラルタルとの絡みで、それ以外の小型の燃料補給タンカー(バンカー)はペルシャ湾の海上警察権はイランが握っていることを示すためです。ちゃんと選んで狙っています。それは英国のタンカーが拘束された日にサウジアラビアから中国に向かう超大型タンカーを一時捕まえて直ぐに解放したことでも分かります。これは何らかのミスだったと思います。

イランは今、米国主導の有志連合の動向に神経を尖らせています。「有志連合は無理ではないか」とけん制していますが、それを裏付けるように8月6日現在の米国以外の正式参加国は英国だけで、イスラエルが「湾岸の諜報分野で協力している」と表明したぐらいです。60カ国以上に呼び掛けて20カ国は確保したいというのが米国の腹のようですが、各国の本音は参加したくないので、様子見を決め込んでいるというところでしょう。参加すればイランの明確な攻撃対象になるからです。商船護衛を行わざるを得なくなった英国は1カ月にならない期間で約40隻を護衛しました。6月まで1艦態勢でしたが9月には3隻目を派遣し、ドック入りする1艦を除いて2艦で護衛することにしています。

もし、日本が有志連合に参加するなら(今回の緊張はそもそもトランプ大統領が起こしたことなのでトランプ大統領の責任で解決すべきことですが、海自艦船は南シナ海やフィリピン海で訓練を含めて常時米艦船と同一行動を取り、米海軍とセットとみられていますから参加拒否は難しいのではないかと感じます。もし拒否したらまた莫大な金銭要求をそのまま呑まなくてはならなくなるでしょう。安倍政権の帰結として仕方がないことです)、2艦以上の艦船を派遣しなければならないような気がしますが、海賊で実戦経験をほとんど積んでこなかったツケを払わされるかもしれません。武力紛争を避けながら護衛するということは、米艦船の様子を見ていてもなかなか大変で、海賊の比ではない現場になると思います。硬軟の使い分けではインド海軍は経験知があり、これまでのところ何の問題も起こしていません。それは米海軍とは一線を画しながら、自国商船を守る立ち位置を明確にしていることが大きいように感じます。 続きを読む

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