イラン、国籍不明のドローンを撃墜。ペルシャ湾奥の重要港近く

イランの国営通信社IRNAは11月8日、ペルシャ湾奥の重要港バンダルエマシャール(Bandar-e Mahshahr)近くで国籍不明のドローンを地対空ミサイルで撃墜したと発表しました。米国防総省は「米国のドローンが撃墜されたとの報告はない」と述べました。イスラエルも反応していません。 続きを読む

英国、ホルムズ海峡のセキュリティレベルを下げる

英国は11月7日、ホルムズ海峡を航行する英国船籍船のセキュリティレベルを下げました。 続きを読む

ロシアとトルコがシリア北東部の扱いで合意。ロシア軍、国境エリアをトルコと合同でパトロール。ロシアが勝利者に

(ロシアが公表したソチ合意マップ。クルド民兵組織YPG は国境から30キロのゾーンから撤退。その後ロシアとトルコがこのエリアを合同パトロールする)

(これが分かりやすいですが、南部の米国は疑問です)

ソチで10月22日に行われたシリア北東部の処理を巡るロシア・プーチン大統領とトルコ・エルドアン大統領の6時間にわたる協議は、大方トルコの主張通りで、バッファーゾーンの監視役にロシア軍とトルコ軍が合同で当たることで合意しました。テロ組織とされたクルドの武装組織は国境沿いから追い立てられる形。要するに撤退した米軍の後をロシアが埋める形でロシアの勝利です。イランはソチ合意を歓迎しました。トランプ大統領は中東の盟主をロシアとしたいようですが、米国の議会や世論がこれを容認するかどうかは分かりません。 続きを読む

損傷イランタンカー、イラン領海に

サウジアラビアに近い紅海でロケット攻撃を受けたとみられるイランの原油タンカー“SABITI”(159,681 DWT、船籍:イラン、1999年建造、 IMO:9172040)が10月21日、イラン領海に入りました。 続きを読む

米軍、100台の車列でシリアからイラクへ。「トランプは裏切った」。石や腐った物投げつける

(シリアを去る米軍車列に物を投げ付ける住民。足元にあるのはじゃがいもらしい。トマトも投げられた)動画のキャプチャーなので不鮮明です。

シリア北東部でトルコ軍とクルド勢力が120時間の「戦闘一時中止(合意文書に停戦の言葉無し)」に入った10月20日夜(現地時間)、シリア北部のクルド人勢力エリアから米軍が軍用車両約100台に分乗し、イラクのクルド人支配エリアに入りました。シリアを離れる車両に向かって住民が「トランプは裏切った」などのプラカードを示したり、石や腐った果物や野菜などを投げつける光景も見られました。 続きを読む

どんな攻撃にどう対処するのか。湾岸海域の脅威はテロ組織ではなく国家。業務の情報開示が必須

湾岸海域に米国が呼び掛ける“有志国連合”(International Maritime Security Construct〈IMSC〉)には参加せず日本が独自に艦船や航空機を派遣することを検討すると10月18日、政府から発表されました。派遣根拠は「調査研究」で、目的は中東の和平実現と湾岸海域の安全航行の確保だそうです。派遣されるとなれば海上自衛隊ですが、具体的な脅威に対して何ができ、何をするのかが不明です。10年以上、アデン湾・インド洋での海賊問題などこの海域での安全問題を見てきた当ブログとしては、海賊対処派遣の無意味且つ無駄遣いの実態を踏まえて、ミッションの目的と実現するための具体的活動、そして業務の完全情報公開を求めたいと思います。「海軍」の派遣には莫大な税金が使われます。有効なミッションのために費用が掛かるとしてもそれが合理的で妥当なものかどうかの判断は主権者が行います。

海賊対処で各国と比較してみると、特別法まで整備したのは日本ぐらいですから積極的に海賊撲滅に向け活動するものと期待されました。ところがです。日本関係船が海賊にハイジャックされそうになってもEUなど各国海軍の艦船に救助を頼みます。各国が協力して海賊船を追いかけるときも航空機で追跡することはしましたが、艦船が海賊と渡り合って救助したり、海賊船を捕まえたことはありません。日本関係商船を襲った海賊が日本で裁判に掛けられましたが、これも捕まえたのは日本艦船ではなく身柄を引き取っただけです。ハイジャックされた日本関係船が海賊から解放されたときも安全海域までエスコートしたのは他国の艦船でした。

海自の艦船がもっぱら何をしていたかというと商船のエスコートです。役割分担としてエスコートを行ったので、それ自体は意味ある活動でしたが、それは海賊活動が活発だった時期の話です。ここ3年ほどはエスコート希望する商船はほとんどない状況でした。ソマリア海賊が下火になるに連れ、海上でやることはなくなってきました。各国海軍とも事情は同じでした。それで再び海賊が復活することがないようにソマリア沿岸を訪れて未然防止につながるような啓蒙活動や海賊船に使われる小型船の捜索など地道な活動を行いました。海賊活動を抑えて安全な航行を守るのが海賊対処活動として当然な動きだと思いますが、防衛省のホームページを見てください。部隊派遣の日時とエスコートの回数などが書かれているだけだと思います。海賊対処ミッションの総費用は分かりません。その中で行った活動が果たして費用対効果として妥当だったのかの検証も誰も行ってきませんでした。

一度軍隊を動かしてしまうと、それを撤収するタイミングは難しくなります。海賊は下火になっていますが既に派遣している海賊対処部隊の艦船などをどうするかは他の国も同じ問題でした。今回、アメリカが言い出した“有志国連合”構想は、米軍に代わるイランと対立する海上部隊をつくろうというものでしたが、同調する国は想定を大きく下回りました。ただ、面と向かって反対するとカドが立つため“ムニャムニャ”とごまかすか、どうしても付き合うなら既に派遣している海賊対処部隊を流用しようと考えました。韓国がそうでした。何回か韓国が有志国連合に参加するのではないかという情報が流れましたが、派遣されるのは海賊対処の艦船という話でした。韓国がどうするかの結論は分かりません。

それでは日本の場合を少し考えてみます。「検討する」という段階なら内容が分かりませんが、菅官房長官の発言から、➀中東の和平実現のため ➁日本関係商船の安全航行のため -という「建て前ミッション」が窺えます。➀はさておいて➁について検討してみます。安全航行が阻害されることといえば、まず武力による攻撃を受けることが挙げられると思います。この「武力攻撃」といえば、➀テロ組織による自爆攻撃など ➁ミサイルやロケット、水雷、機雷、魚雷、ドローン、ドローン船などによる攻撃 ➂商船の拿捕やハイジャック -などが想定されます。これは過去にこの海域で起きた攻撃を羅列したものです。

さらにこの攻撃を行う「犯人」がテロ組織なのか国家なのかによって対応が変わってきますし、予兆の掴み方も異なります。安全航行を確保するには攻撃を防ぐ、攻撃を排除するなどの実力行使が必要になります。今の「脅威」はテロ組織の攻撃ではなく、国家若しくはそれに類した組織による「脅威」です。周到な準備が行われ、防止することは極めて困難です。情報収集やその分析も必須条件になるでしょう。米軍の“有志国連合”構想では、司令部機能(情報収集や調整など)は米軍が持ち、参加国艦船に連絡することになっていたと思います。小説や映画の話ではなく実戦です。ホルムズ海峡付近での緊迫した英艦船の自国船籍船の防衛局面を見れば分かります。これはイランが英国を“敵”と認定したことによって起こった攻撃でした。

では日本は「誰からの攻撃」を想定するのでしょうか。海賊ですら“現場”に行かなかった部隊が誰からの攻撃を防ぎに向かうのでしょうか。10月16日にはテヘランで森外務審議官がイランのザリフ外相と協議、イラン側から日本の水害に対するお見舞いの言葉がありました。話し合いのチャンネルは開かれていますから、イランが日本を“敵”とは決めつけていないと思います。
次にイランに代わる攻撃者がいるのでしょうか。11日にサウジアラビア沖の紅海でイランの原油タンカーが2度にわたるロケットらしい攻撃を受けました。公式ではありませんが、16日のイラン議会で「攻撃は米国とサウジとイスラエルの合同作戦」とする議論が行われました。国連安保理に持ち出す証拠を集めているといわれます。真偽は分かりません。イエメン・フーシ派のドローン船攻撃もこの海域での商船攻撃の脅威かもしれませんが、日本関係船が狙われる現実味は薄いでしょう。そうするとどのような具体的な脅威を想定するのでしょうか。もし、中東全体を差しての脅威排除を言うならば、それは悪い冗談でしょう。日本がどうこうできるとは到底思えないからです。

今度の攻撃は海賊のような“素人”攻撃ではありません。計画も武器もレベルが異なります。そこに海賊事案ですら実戦経験がない“軍隊”の艦船と航空機で何をするのでしょうか。攻撃の前触れをどうやって誰が掴むのでしょうか。具体的な攻撃にどの武器を使ってどのように戦うというのでしょうか。もし遭遇したら何を根拠にどう後処理を行うのでしょうか。それとも海賊と同じように上空から「危険だよ」と連絡するのでしょうか。「調査研究」で、何をしに行くのかが見えてきません。「独自に行くものの米国とは緊密に連携を取っていく」ということは、要は「米国の有志国連合に隠れ参加するが、特別法がないので何もできないよ」ということかもしれません。日本関係の商船は過度の期待を持たない方がいいと思います。

トランプ大統領、しないと言ったトルコへの制裁実施。軍も一部は残すとか。副大統領がトルコへ

シリアへのトルコ軍の攻撃開始の引き金を引いたトランプ米大統領ですが、共和党からも国際社会からも非難の大合唱が起きて収拾がつかない状態で前言撤回が相次いでいます。 続きを読む

イラン・ロウハニ大統領、「タンカー攻撃のビデオがある」

イランのロウハニ大統領は10月14日、自国原油タンカーが11日に紅海でロケット(ミサイルからロケットの修正)攻撃を受けたことについて「攻撃のビデオがある」と述べました。 続きを読む

プーチン大統領がサウジ訪問。湾岸情勢など協議。2007年以来

ロシアのプーチン大統領が10月14日、サウジアラビアを公式訪問しました。サウジ訪問は2007年以来となります。ロシア経済人も同行し、ビジネス面での協議も行われます。サウジとは政府間の石油協力協定を結びました。緊張が高まっている湾岸情勢も協議されます。 続きを読む

紅海で攻撃されたイランタンカーの動画など

10月12日から13日に撮影されたとみられる紅海でミサイル攻撃されたイラン原油タンカーの画像や動画が流れてきました。破孔の場所や大きさから油の流出が続いている可能性があります。タンカーは単独でイランに向かっています。 続きを読む

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